ポータブル電源
EcoFlow River Pro
非常時に備えて買ってみました。


【非常用の備え】
 東日本大震災以来非常時の備えに気を遣うようになったが、止まると困るインフラとしてはやはり水と電気であろう。ガスも止まると困るけど、それでも電気があれば何とか行けるからね。

 で、しばしば聞く意見として、そういう災害時は電気自動車のバッテリーから給電すれば良いという意見がある。

 でも・・・本当にそうなのかなあ〜〜?(アニマルエレジー風に)

 自分の経験から言うと、本当にヤバい災害の時は家族ごと自動車で遠くの親戚の家まで避難するとか、食料の買い出し・洗濯・入浴とかで遠くまで行かないとけないとか、「移動に自動車が使える」というカードを持ってる事で有利になる場面が多いのよね。

 考えてみれば電気自動車を家電の電源として使うのは走行可能距離を食い潰しているという事であり、非常にもったいないと言うか、アホな使い方だと言わざるを得ない訳です。ガソリンや軽油についても、東日本大震災の時は首都圏ですら一時入手困難になり自動車による移動が大変になったからね。

 そういう事を考えると非常時の電源としては、近年キャンプ用に実用化されたポータブル電源が良いだろう。

 で、ポータブル電源てのが実際にどんな感じなのかを知りたくて、ネット検索してみたのだが

 「デザインがかっこいい!」
 「この電源で焼いたピザがとっても美味しかったです!」

 みたいな、やらせ宣伝というか、どーでもいい情報が多くて実態が分からない(-_-;

 こういう新ジャンルの商品は実際使ってみないと分からないデメリットもけっこうあると思うので、そういう部分に目をつぶってエイヤッ!と買ってしまえるほどお金に余裕がある訳でもない我が家。

 うう〜〜ん。買うべきか、買わざるべきか。

 いや、買うのはほぼ確実だけど、どれを買ったら良いのかさっぱり分からない・・・。


【最有力候補、EcoFlow】
 いろいろ悩んだ末、EcoFlow社のポータブル電源が良さげに思えた。

 その特徴を挙げると、

(1)他社のポータブル電源の多くは、大きなACアダプタを経由して充電するようになっているが、EcoFlow社のはコンセントから直接繋いで充電する。大きなACアダプタを持ち歩かなくて良いというのは実際便利だ。

(2)他社のポータブル電源は充電するのに半日とか時間がかかる物が多いが、EcoFlow社のは1時間程度で満タンにできる速さが特徴。

(3)USB PDを装備しているポータブル電源は増えてきたが、PD対応を謳っていてもワット数が20WとかショボくてノートPCには使えない物もあったりする。その点EcoFlow社"River Pro"のPDは100Wまで対応している。

(4)定格出力600Wというのはポータブル電源としては低出力の部類だが、それ以上のワット数の家電も(取り敢えずでも)使えるようにする独自の給電技術"X-Boost"がある。

(5)日本のACの周波数は50Hzと60Hzの2種類があって、ほとんどの家電はどちらでも使えるけど、中には周波数が違うと正常に動かない物もある可能性も。で、多くのポータブル電源では周波数が60Hz固定だけど、EcoFlow社のは50Hzに設定する事が可能。

(6)EcoFlow社のは自己放電が比較的少ないらしい。自己放電が多いと半年1年と放置してる間に充電した電力量が減ってしまっていざという時に困る事になるが、この機種なら大丈夫かも?

 ・・・という感じで、俺が求める仕様にほぼ合致する。


 でも、これはEcoFlow社に限った話ではないけど、ポータブル電源を出してる会社ってベンチャー企業、設立から10年とかの小さな会社がほとんど。こういう所は開発陣が少人数。

 そういう製品はどうしても「練りが足りない」という物になりがちで、つまり完成度の高さはあまり期待できない・・・というのが俺の個人的印象。

 でも、そんな中ではEcoFlow社が比較的まともっぽい印象。(あくまで印象だけだが)


 EcoFlow社の製品で一番高い"EFDELTA(EFデルタ)"という機種はヨドバシでも扱っていたので、「買うならこれか?」と思っていたが、こいつは値段が14万円くらいして、さすがの俺でも躊躇。

 で、よくよく調べてみると、実はEFデルタは最高機種ではあるけどEcoFlow社の製品としては古い方で、現在"River"シリーズが新型であり、性能的にも"River"の方が洗練されてるように思えた。

 で、"River"シリーズは低容量の4万円の機種からのラインナップで手軽。ただし量販店では扱っていない。評判を調べてもまだまだそんな多く出回っていないので、検索しても宣伝記事ばかり。使ってみた個人の本音とか書いてるブログはごく少数。実際どうなのかよく分からん。

 う〜ん、買うべきか買わざるべきか、またフリダシに戻る。無くても困らないとも言えるが、大規模災害が起こってからでは遅いとも言える・・・。

 そんな事を考えていた2021年の2月から3月にかけて、けっこう大きめの地震が連続した。まさか!これはヤバい前兆なのでは?と危機感を感じEcoFlow直販サイトをチェックしたら、

 「4月1日まで"River Pro"が1万円引き!」
 「メルマガ登録で更に5%引き!」

 というキャンペーンをやってる事に気付き、これなら6万円台だからお買い得かも!と発作的に発注したのだった(^_^;


 なお今さらだけど、EFデルタは大容量+大出力が特徴。定格出力1600Wなので電子レンジやIH炊飯器も動かせるっぽい。

EFデルタ(約14万円)
 重量:14kg、容量:1260Wh、 定格出力:1600W

River Pro(約7万円)
 重量:7.6kg、容量:720Wh、定格出力:600W

 この記事を書いてる2021年9月にはEFデルタProという最上位機種も発表されて、それだと容量3600Whrの定格出力3000Wという、ほとんどどんな物でも動かせる圧倒的大容量。ただし値段は約30万円。

 こういうのと比べると"River Pro"の定格600Wは何だか頼りなく思えるし、「大は小を兼ねる」と考えて一番大容量高出力のを買いたい気持ちも無い訳じゃないけど、初めて買う新分野の商品なので、いきなり高い方を買うのは浪費王の俺でも躊躇したのだった(^_^;


【現物が届いた】

(充電の確認)

 まずは太陽光発電から充電できるかを確認。これが出来るのと出来ないのでは話がだいぶ変わってくる。

 晴れている時は問題も無く充電できて、1時間程度で満タンになる事が確認できた。

 これなら昼間に充電して翌日までポータブル電源で持ちこたえるというサイクルで運用できるだろう。

 右の写真は太陽光発電から充電している所。

 この急速充電にはおそらく600W強の電力が必要で、曇っている時は太陽光発電の出力がこれを下回るため、充電動作が始まってもすぐに止まってしまう。

 それでも充電したい時は急速充電機能をオフ(低速モード)に設定する必要がある。

(給電の確認)
 テレビ、電気ポット、PC、石油ストーブなど、電力消費が単純な家電は問題無く動作する事を確認した。しかし電子レンジや炊飯器はパワー不足で使用不可だった。

 電子レンジは500W加熱時でも「オーバーロード」警告が出てダメだった。

 電気ケトルみたいな単純な機器なら600Wを超える物でも"X-Boost"機能のおかげで使用可能らしい。が、電気ケトルのたぐいは基本的に消費電力が大きく、ポータブル電源の容量を一気に消費してしまうため、「持ちこたえる」使い方をしないいけない災害時にあっては、あまりお勧めできない使い方と言えるだろう。

(X-Boostとは?)
 ポータブル電源としては定格出力600Wだが、繋いだ家電がそれ以上だった場合、自動で電圧を下げて定格1200Wの物まで(パフォーマンスは落ちるが)動作させられるという独自機能。


【専用アプリからの操作に挑戦】
 EcoFlow社のポータブル電源はもちろん単独で使えるけど、設定の変更などはスマホの専用アプリからしか行えない。

 この「設定」というのは急速充電にするか低速モードにするかとか、"X-Boost"を使うか使わないかとか、AC出力を50Hzにするか60Hzにするかとかだ。本体ファームウエアのバージョンアップもスマホの専用アプリを使わないと行えない。

 俺はスマホを持っていないのでここが一番のネックで、最初は「設定」しない素の状態で使おうと思っていた。

 ・・・のだが、やはりムズムズして来て(苦笑)、スマホを持ってるニョーボに頼んで挑戦してみた。が、ニョーボもスマホはLINEを見る程度しか使ってないので、専用アプリのインストールからして七転八倒(^_^;

 ニョ「え? 何これ? あれ? これどうするの?」

 事前に作ってあったアカウントを入力しても「そのアカウントは見つかりません」みたいなエラーが返ってくるし、何度も確認し入力し直してもダメ。「認証コードをメールアドレスに送ったので1分以内にそれを入力しろ」と言われても、そのメールが届いたのが3分後だったり・・・。

 やはり小さな会社の「まだこなれてない」商品という事なのか?


【さすがの俺】
 スマホで2時間くらい格闘した末に結局あきらめ、

 「俺、SIMは持ってるからSIMフリーのスマホを買った方が良いのかなあ・・・」
 「いやいや、この操作のためだけにスマホを買うなんて馬鹿らし過ぎる」

 などと考えが巡る。

 そして

 「・・・待てよ。ノートPC上でアンドロイドアプリを使う方法があったような気がする」

 と閃くのがさすがの俺だ。

 調べてみるとPC上でアンドロイドを動かすエミュレーターがいくつも存在するし、グーグルクローム上でアンドロイドアプリを動かす拡張機能もあるようだ。

 しかしエミュレーターはスマホゲームをプレイするのが主目的で、全てのアプリの動作が保証されてる訳じゃないし、作っているのがその手のゲームで稼ぎたい中華メーカーなのでセキュリティー的に危ないんじゃ?という噂も・・・。


【ARC Welderを試す】
 まずはグーグルクローム上でアンドロイドアプリを動かすという拡張機能"ARC Welder"を試す事に。

 調べてみると、これが最初に出たのがもう5年以上前なのにほとんどバージョンアップされてないようだし、ネットで調べても実際に使ってみた記事がほとんど引っかかってこない。

 「・・・これは、たぶんダメなパターン(-_-;」

 拡張機能を導入する所までは行けるけど、説明がほとんど無いので、そこから先何をどうするのかさっぱり分からない。

 クロームやアンドロイドに精通した人のためのツールという感じで、一般向けの物ではないようだ。

 そこを乗り越えても、アンドロイドアプリをインストールする段で行き詰まる事が多いようで、俺の場合もそこで止まってしまってどうにもならなかった。断念。


【Bluestacksを試す】
 次はアンドロイドエミュレーターの中では完成度が高いと言われている"Bluestacks"を試してみた。

 こちらではEcoFlowアプリのインストールは出来た。

 けど、ポータブル電源のAP(アクセスポイント)が全く見えないのでアプリが使えない。これはポータブル電源のAPに限らず、例えば家のWi-FiのAPがエミューター上で動いてるアプリからは全く見えない。

 う〜ん、これはですね、エミュレーター内のアプリのネット接続はエミュレーターが仲介していて、接続名なんかも仮想の名前に書き替えられているから・・・という事なのだろう。

 このおかげでポータブル電源のAPが見えないから接続のしようが無い=アプリが使えない、という訳だ。

 うう〜〜〜ん。という事はエミュレーターでは原理的に無理って事か?


【NoxPlayerを試す】
 原理的にダメかも?と思いつつ、現時点で一番おすすめのエミュレーターと言われている"NoxPlayer"を試してみた。

 アプリのインストール自体は問題無く行えたが、やはり上述のヤツと同じでポータブル電源のAPが見えない。

 何か手は無いのか?とNoxPlayerの「設定」の中を調べていたら「ブリッジモードを使用」という項目があるのに気が付いた。

 ブリッジモード? (きゅぴーん) そうか!

 これはエミュレーターの外のAPをそのままエミュレーター内に受け渡す(ブリッジする)という意味だな!

 そのチェックボックスにチェックを入れて試してみたら・・・ ほら! EcoFlowアプリにポータブル電源のAPが表示されるじゃないか!! これでアプリからポータブル電源が操作できるようになったぞ! ふはははは!!! さすがだぜ俺ッ!!!(^_^;

 てな訳で、ノートPC上でポータブル電源操作アプリを使えるようになり、"X-Boost"を使うか使わないかとか、AC出力を50Hzにするか60Hzにするかとか、本体ファームウエアのバージョンアップまで行えたのだった。我勝てり!


(下の写真:ノートPC上のアプリがポータブル電源と繋がった所)

 NoxPlayer上で動いているアプリの様子。
 各種設定の画面。
 ポータブル電源のファームウエアのアップグレード画面。


【エミュレーター上のアプリを使う方法】
 エミュレーターで全て上手く行ったように書いたけど実はそうでもなくて、前回は上手くいったのに今回は上手く行かないぞ?という事がある。

 「ノートPCからでも使える」というのは本当だけど、ある程度PCの知識があって、PCトラブルの解決に経験のある人じゃないと辛い事になりそうではある。

 っつー訳で、私の場合の手順・注意点をメモしておくので、やってみようという人は頑張ってみて下さい(^_^;

(1)事前にEcoFlow社のサイトでユーザー登録を済ませておく。

(2)家のWifiのAPを2.4GHzモードが使えるようにし、ノートPCをこれと接続する設定にしておく。(5GHzのAPだと以下の操作が上手く行かない)

(3)ポータブル電源の正面にあるIOTリセットボタンを長押しするとポータブル電源が"EcoFlow_****"という感じの名前のAPとして動作するようになるので、事前にノートPCをこのAPとの接続を自動的に接続する設定にしておく。

(4)エミュレーターをノートPCにインストールし、ブリッジモードを使う設定にしておく。

(5)Android用のインストールファイル(apkファイル)はEcoFlow社のサイトからダウンロード可能なのでこれを入手し、エミュレーター上にインストールする。

(6)アプリを起動してユーザー設定をする。EcoFlow社からメールで認証コードを受け取ってそれを入力したりする。このユーザー設定は1度行えば後は必要無し。

(7)アプリの説明書の「IOTモード」に従ってデバイスの登録(ペアリング)画面に移る。

 説明書だと(3)で設定したEcoFlowのAPが表示されるはずなのだが、なぜかリストに表示されない。しかし(2)の家のAPは見えているので、そちらに接続する設定をする。

(8)するとなぜか家のポータブル電源と接続し、アプリから操作や設定が行えるようになる。

 どうしてこれでノートPCとポータブル電源が繋がるのか正直よく分からないが、使えているのは事実だ(^_^;


【自己放電について】
 バッテリーという物は放置すると少しずつ放電して容量が減っていく。これはポータブル電源でも同じで、キャンプ好きでしょっちゅう使う人ならいざ知らず、非常用に購入した物だとどうしても放置しちゃうから、いざ停電になった時にポータブル電源を使おうとしたら容量がほとんど残ってなかった!なんて事もあり得る話。

 毎月必ずバッテリーの容量チェックなんて事はさすがに面倒くさい訳で、せめて半年や1年は放置しても大丈夫くらいの性能が欲しい所。なのでこのEcoFlow社のを買う際も、自己放電はどの程度なのか?という点が最初から気になっていた。

 で、実際どうなのか確かめてみた。

 容量73%の状態で電源オフ放置し、半年後に電源オンしてみた所、容量は71%で、つまり半年で2ポイントしか減っていなかった。自己放電がこの程度なら80%に充電して1年放置でも十分行けるだろう。

 以上、報告終わり!

[2021/10/02]


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